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「運転手さん目黒まで」
「はい、畏まりました」
「アラン…どうしても行くの?」
「当たり前だ。黙って転勤なんて出来ない」
濃いグレーのスーツにブルーのネクタイをキュッと絞めたアランは、いつものアランとは異なり凛としてカッコいい。
タクシーの中、不安な私の手をアランはずっと握り締めてくれた。
――目黒…
自宅前には美生ちゃんの旦那様である良さんの車。
何で、よりによって、こんな日に…!?
最悪な気分のまま、タクシーを降り玄関を開ける。
玄関を開けると、賑やかな笑い声。美優ちゃんと海ちゃんの声もする。
最強メンバーが、勢揃いだ。
「ア…ラン…やめよう。日を改めよう」
アランは無言で首を左右に振った。
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