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「まあ要約するとね、昨日とある名家に怪盗が入って、『白い闇』が盗られたのさ。怪盗は前日に予告状を届けたから厳重に警備が敷かれてツチノコ一匹入れない状態だったんだけど、それも空しく予告は果たされたって訳さ。どう、興味出た?」
「…密室って何だそれ」
「知らないのかい?探偵小説ぐらい教養として読みなよ。つまり」
「それぐらいは知ってる。密室というのは、犯人を含む部外者が侵入出来ない部屋って事だろ?そんな物不可能だ」
「実際に起こった事をを無闇に否定するのは良くないね」
「いや…つーかアインスの連中ならそんな物楽勝…というか不可能犯罪ですら片手間でやっちまうというか…」
「いやいや、ちょっとこれが見事な不可能犯罪でねぇ。説明して差し上げるから突っ込みでも何でも入れながら聞いててよ」
「…興味は無いがとりあえず検分はさせて貰うぞ」
「君、背中に隠しきれない好奇心が出てる」
バルナバが瞬時に書物を巻き取りつつ振り向いた。彼女の真正面のカウンターに新しいのを広げ、新聞越しに自分のより数段蒼い瞳を睨みつける。
「とっとと話してとっとと黙り腐れこの電波女」
「相変わらず素直な反応だね君は」
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