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再び飯処「駒屋」
小見の様子を伺っていた源治が店のほうへ戻ってきた。すると店には浪人のような風貌をした人相の悪い男が一人、四人卓に一人で座り定食を食べていた。源治に気づいたお駒が声を掛ける。
「親分、相変わらずだろう」
「ああ」
お駒の傍に立ち止まりながら問いかけに返事はしたが源治の鋭い目は男のほうに向いていた。男はがっしりした体格の上、浅黒い肌の色で無精髭を生やし髷も適当に結われた様子だが、横の椅子に一振りの刀を置いていた。源治の鋭い視線に気づいていないのか臆することなくただひたすらに定食を掻き込むようにして食べ進める。すると源治が歩みを進めると駒が少し慌てた様子で源治を止めようとする。
「ちょ、ちょっと親分・・・」
そんなお駒の様子を気に止めることなく源治は卓を挟んで男の前に腰を下ろし話し掛けた。
「お前さん、この辺じゃ見かけねえ顔だな」
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