第三章 獣火の恐怖

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源治と獣火が憑依した奉公人の力比べの状態で膠着している。それを見たハチが倒れている岡っ引き連中を引きずりながら安全な場所へ移動して行く。一瞬の隙をつき、源治が獣火が憑依した奉公人の腹に蹴りを入れ膠着状態を脱する。倒れていた岡っ引き達を非難させたハチが源治のもとに戻ってきた。そしてハチも十手を手にする。 「親分!!」 気合が入り臨戦態勢のハチを見て源治が言う。 「ハチ気をつけろ、手強いぞ」 「へい」 源治とハチは獣火が憑依した奉公人に対して距離を取りながら構える。 『きしゃあぁぁぁ』 その奉公人が奇声を発すると同時にハチに対して襲い掛かって来た。ハチはとっさに十手で奉公人の鋭い爪を受け止める。 「ぐぐっ」 だがその力は凄まじく尋常ではない。徐々にハチが押され始める。 「くっくそ、なんて馬鹿力だ・・・」 獣火が憑依した奉公人の鋭い牙が徐々にハチに近づく。 『しゃあああぁぁー』 大きな口を開けながら奇声を発した瞬間、牙がハチの首を目掛けて襲い掛かる。
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