第四章 夢の中で・・・

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 飯処駒屋にて    小見はいまだ目覚める気配はない。様子が気になるお駒は小見のそばで心配そうに見つめている。店の女従業員も小見の様子が気がかりなようでお駒に尋ねる。 「お駒さん、どう様子は」 お駒は小見に目を向けたまま、静かに首を振って従業員の問い掛けに答える。しばらくして、小見は夢でも見ているのかひどくうなされはじめた。 「ううっ」 そんな小見の様子をお駒と女従業員が心配そうに見つめる。お駒は手拭いで小見の汗を拭いながら、ただ黙って小見を見つめていた。 (小見さん・・・) お駒は、銀駒として吉宗に報告へ言ったときのことを思い出していた・・・。    江戸城 ~内庭~  吉宗は常日頃、全国にいる諸大名の動きを監視し各地に散っている御庭番からの情報を収集するため江戸城の内庭をくまなく散策をしている。吉宗が内庭を散策する所々に報告役の御庭番が身を潜め待機していた。吉宗にとって内庭の散策は江戸城にいる家臣達へのいわば口実、家臣に成りすまし城内に潜むかも知れない間者をも欺くためにとっている策の一つであった。
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