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闇鬼の時雨を封印した小見だったが、大量の出血を伴った戦いだったため意識が朦朧としていて立っているのがやっとの状態だった。
「何とか終わったか・・・」
そう言って少し安堵したその時、背後から殺気を感じた。小見は振り向きじっと殺気のするほうを見つめる。すると吹き払ったはずの濃霧が白い壁のように再び覆い始めた。そして濃霧の向こう側から殺気を帯びた黒い影がどんどんこちらに近づいて来た。小見は目を細めながらじっとその影を見つめる。
突然、黒い影が殺気を増し大きな奇声を発した。凄まじい勢いで小見に襲い掛かって来た。
『きしゃあぁぁぁー』
凄まじい勢いで小見に襲い掛かって来る。小見は朦朧とした意識ではあったが、間一髪その攻撃をかわす。
「こいつは獣火！！」
その姿は小見が今まで見てきた人に憑依した獣火の姿そのものだった。とっさに獣火の攻撃をかわした小見だったがその見つめる先に源治の姿があった。獣火はそのまま正面にいた源治に襲い掛かる。
「源治、危ない！！」
小見が源治に呼びかける。だが、呼びかけ虚しく源治は無抵抗なまま獣火に襲われ深手を負う。
「がっ・・・」
源治がその場に崩れ落ちる。獣火が倒れている源治に馬乗りになって動きを封じる。源治は深手を負った傷口にまともに乗られた激痛で思わず叫ぶ。
「ぐああぁぁぁー」
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