第四章 夢の中で・・・

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獣火が源治に止めを刺そうと鋭い爪を振り上げた時、小見は源治を救うため気力を振り絞って獣火に対して覇気道術を放つ。 「縛ー!!」 獣火は金縛りにあったように身動きが取れなくなり、喉元を掻き毟りながら苦しみ始めた。 『があああー』 しばらくすると、人に憑依していた獣火が苦しさのあまり飛び出しそのまま白い濃霧の中に姿を消した。重傷を負って息使いが荒い小見だったが何とか源治を救うことが出来た。しかしその直後、今度は白い濃霧の向こう側から地鳴りのような轟音を響かせながら鉄砲水とともに闇鬼の摩那斯(まなし)が姿を表した。小見は目を見開いて驚くも既に満身創痍のうえ源治を救うため放った覇気道術が最後の気力であったため意識が薄れていく。  そんななか、さらに追い討ちを掛けるかのように闇鬼の摩那斯(まなし)の背後から新たな黒い影が忍び寄る。その黒い影は手に刀を持っており抜刀の構えを見せている。闇鬼の摩那斯(まなし)が不気味に笑いながらその殺気とともに幻影がどんどん増大されていく。  最悪の事態に小見は源治にとにかくこの場から逃げろと声を振り絞って伝えようと言葉を発する。 「げっ源治、にっ逃げろ・・・━━━━━━━っ!!」
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