第一章 怪しい浪人

3/7
前へ
/36ページ
次へ
 深川周辺  その頃ハチは町の見回りに出ていた。 「ふぅ、今日も今のところ変わった様子はないな」 ハチはそんな独り言を呟きながら人の往来に紛れながら町の様子を伺っていた。少ししてふと何かに気づいたかのような素振りを見せ立ち止まり後ろを振り返った。しばらく今来た道を眺めていたが別に変わった様子はない。自分でも何を思ったのか分からず首を傾げまた前を向いて歩き始めた。ちょうどその時、風魔が狭い辻に入り身を隠すようにしながらハチの様子を伺っていた。 (あの男・・・) 風魔がそう心の中で呟くと、人の往来に紛れながら姿を消した。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加