第二話

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『それじゃあ、一週間ちゃんと委員長してるからね?』「あぁ、転ぶなよ?」 しばらく雑談をした後、俺は彼女からの通話を切り再び浴槽に体をつからせた。凛夢は、すでにあがってしまったのかえらく浴室は広く寂しい。もう、見えないふりも聞こえないふりもやめた。だから、俺はちゃんと向き合おう。 「兄さん、あの」「凛夢…俺と一緒に停学なんてやだからな?」 浴室から上がり洗濯機を回した後ミネラルウォーターを取り出して飲もうとした時に言われた言葉に笑顔で返すと再び凛夢は落ち込んだ様子で 「お休みなさい…」 と寝室に入っていった。俺はそれを見送った後、シアを抱き上げて一緒に寝るために自分の寝室に入った後秋月に軽くお休みのメールをかけた後ゆっくりと目を閉じた。  だからこそ、俺は許せなかった。 「---の何がわかるんだよ!」「何だと?」  とある少年の歪んだ思いも 「なんだか辛いなぁ…」  彼女の泣きそうな笑顔も 「彼女が幸せなら…」  自分自身の、身を引くという名の怠惰にも  見ないふり、聞こえないふりはもうおしまい。もう、そんな事で許されることではなくなったから。
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