夏の夜

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「そこにいるのは…誰だ?」 心地の良い甘い低音ボイスが耳の中にスゥっと通る。 俺はビクッと体を硬直させる。 「隠れてないで出てこいよ。」 そんなこと言われて出ていく馬鹿は居ねーよ! 心の中でツッコミを入れる。 正直、そんなことを考えている余裕はあんまりない。 てか、吸血鬼にこんな所で会うなんて誰が予想出来んだよ! 出来るわけねぇだろ!? 「……出て来ねぇってことで良いんだな……? なら、そこを動くなよ?」 地を這うような、低く何かしらの オーラを纏ったような声。 そー言えば、妹が持っていた声優のCDに似てる声の人が居たような……。
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