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「ん……? お前、何か甘い臭いがするな。何か持ってんのか?」
クンクンと臭いをかぎ続ける男。
さっきは逆光であんまり見えなかったけれど、今ははっきりと男の顔がわかる。
長すぎないちょうど良い長さの黒髪に吸い込まれるような美しく綺麗な真っ赤な目。 顔は凄く整っていて、かっこいい感じ。綺麗でもあるな。まぁ、所謂イケメンってやつだ。
「おい、聞いてんのか?」
この一言でハッと我に帰る。
えっと、なんの話だっけ……?
あぁ、甘い臭いがするって話だっけか?
「多分、さっきコンビニで買った俺のおやつだと思うけど……。」
ガサガサっと袋の中を見る。
中身はショートケーキが入ってる。
「よし、それを俺に寄越せ。」
「………………はぁ!? 何でだよ!」
少しの沈黙のあと俺は思わず怒鳴る。
相手が吸血鬼だと言うことも忘れて。
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