夏の夜

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「どーせ、 さっきの 見てたんだろ? あんな下手くそな嘘が俺に通じるとでも思ってんのか?」 ……ですよねー。 そりゃあんなに目線をキョロキョロさせながら答えても説得力ねぇわなw 「見たなら……何もせずに帰すわけにはいかねぇな。だから、無事に帰す代わりに、それ寄越せよ。」 クスッと微笑み、交換条件だと言う目の前の吸血鬼。 だがしかし、甘いものは俺にとって大事な糖分。ここで渡したら甘党男子失格だ。 グッと下唇を噛み締め俯く。 「渡さねぇんだ。お前肝据わってんな。」 ここは抵抗せずに渡す所だろ とため息をつく男。 「じゃあ、選ばせてやるよ、それを寄越すか………俺に血を吸われるか。」 そう言うと、男は俺の頤に手を添えて無理矢理上を向かせる。その行動に目を見開く。 俺よりも身長が高い男は俺を見下している。 「おとなしくそれを渡せばあの 女みたいにならずに済むぞ?」 俺はチラッと女性を見る。 顔が真っ青な女性を見て、鳥肌がぞわっとたった。
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