夏の夜

21/22
139人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「優……。 お前の声、結構クるな。」 「んっ! な、なん……て、言った?」 「……何でもねぇ。」 暁の言ったことが聞き取れなくて聞き返したがそっぽ向かれた。 ……お、治ってきたかも。 「はぁ、っ。やっと……な、治ったぁ……。」 死ぬかと思ったよ。 もう吸血鬼に血をあげる何て簡単に言わねぇからな。 ……甘いものが絡んでなければ。 「……そう言えば俺の血どうだった……?」 「……は?何でそんなこと聞くんだ?」 「何でって 男の血は飲みたくないんじゃないのか?」 さっき、男の血だけどしょうがねぇ。 とか何とか言ってた気がする。 「あぁ……それか、ただ単に男の血は不味いってだけが理由。女の血は何か甘いんだよ。」 「血にも美味しい不味いが有るんだな……。」 ちょっとだけ吸血鬼に興味がわいた。……ちょっとだけな。 「でも、優。お前の血は女よりも甘かったんだが、何故そんなに甘いんだ?」 「俺が知るか!……甘いものばっかり食べてるからじゃねぇ?知らねーけど。」
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!