生徒会長

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ぼんやりと暁の事を思い出しているときに、あいつの言った言葉が頭を過った。 “近いうちにまた会うだろう” あれは一体どういう事なんだろう。 「あれ?優、首の辺りどうした?」 うーん。と頭を抱えていると啓介が俺の首を指差しながら尋ねてくる。 「え?首? 首がなに?」 質問の意味がわからず俺は聞き返す。 「なにって……虫刺され? 赤くなってるけど……。 大丈夫か?」 …………俺は啓介に言われた所を確認するため、近くに居た女子に鏡を借りて首を見てみた。 「あ、ほんとだ。 赤くなってる……。 でも、虫に刺された記憶無いけどなぁ…………………あ”…。」 …………………あった。あるじゃん。 これは虫刺されじゃなくて、牙の跡だ。昨日のやつだ。 「ん?心当たりがあった? 何?」 啓介が心配そうに俺の顔を覗きこむ。 「うーあーっと、あるっちゃあるんだけど…………あはは……。 そんなに心配しなくても大丈夫だから!」 言えるわけねーよ! 吸血鬼に血を吸われたときの牙の跡です。なんてさ! たとえ相手が何年間も付き合ってきた幼馴染みだとしても! 「…………なんか誤魔化された気がする。」 「…………ぅ”。」 流石幼馴染み。鋭いな。 「まぁ、優が大丈夫って言うなら心配ないかぁ。」 何かあったんなら相談してくれよ? と言いながら微笑んで俺の頭を撫でる。
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