生徒会長

8/10
139人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「その話はおしまい! なぁ、これ見てくれよ!」 一旦自分の机に戻って何かを持って戻って来た啓介が、興奮気味に ジャーン と俺の前に持ってきたものを差し出す。 差し出されたのは1枚のCD。 「これって啓介がいつも大好きだって言ってるアーティストのCD?」 CDの表紙には3人のイケメンな男性が写っている。 今人気急上昇中の ”silent”と言う3人グループのアーティストだ。 「そう! このCD一昨日発売だったんだけどさ、人気過ぎてどこの店でも売り切れが続出だったんだよ!」 俺はその人気のCDを見ながら へぇー。と相づちを打つ。 「んで!今日の朝やっと手に入ったんだ! 本当は発売日に買いたかったんだけどなぁ。」 「発売日の日いろんなCDショップ行ったのか?」 CDを啓介に返しながら聞く。 「そりゃあ勿論! 遠い所まで行ったぜ!」 啓介はグッと親指を立てて言う。 「今回の曲はなぁ。 人間に恋した吸血鬼をテーマに作ったんだってさ!」 「…………ファンタジックだな。」 吸血鬼が人間に恋をすることなんてあるのか…? 「これまでの曲の作詞作曲全部 silent のメンバーの一人である 蓮(れん)って人がやってるんだ。 すげぇよ本当に。 」 ちなみに俺はこの3人の中で蓮さんが一番好き! 何て言ってる啓介の言葉をふーん。へー。と聞き流しながら、窓の外を見る。 あ、俺の席は窓側の一番後ろなんだ。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!