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馬鹿らしくなった俺はそのまま腕を額の上に乗せた。
ピーンポーン・・・
「誰だ・・・?」
よろよろとインターホンに出る。
「すいませーん、うるさいんすけどぉ」
パッとしないチャラ男の声だった。
「帰ってくれ。俺は今ものすごい自己嫌悪モードに陥ってるんだ」
「はあ?」
「例えるならそうだな・・・、上等のサーロインステーキに塩をつけて食おうとしたら、間違えて砂糖をつけてしまったようなもんだ」
「はあ・・・」
「気の抜けた返事だな。とにかくそういうことだ。じゃあな」
ガチャッ
「はぁ・・・」
疲れた。
特に河野に会ってからは余計に疲れた気がする。
リビングに戻ってきてさらに憂鬱になる。
積み上げられたダンボール。
家具類は業者が配置していってくれたからいいが、このダンボールはどうしようもない。
「・・・始業式までには何とかしときたいな・・・」
しばらく逡巡したあと、俺はあきらめて立ち上がった。
「やるか」
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
「おわっ!?」
ゴガクシャバキドバア・・・
・・・。
・・・。
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