紅章の旗 プロローグ~第1章

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馬鹿らしくなった俺はそのまま腕を額の上に乗せた。 ピーンポーン・・・ 「誰だ・・・?」 よろよろとインターホンに出る。 「すいませーん、うるさいんすけどぉ」 パッとしないチャラ男の声だった。 「帰ってくれ。俺は今ものすごい自己嫌悪モードに陥ってるんだ」 「はあ?」 「例えるならそうだな・・・、上等のサーロインステーキに塩をつけて食おうとしたら、間違えて砂糖をつけてしまったようなもんだ」 「はあ・・・」 「気の抜けた返事だな。とにかくそういうことだ。じゃあな」 ガチャッ 「はぁ・・・」 疲れた。 特に河野に会ってからは余計に疲れた気がする。 リビングに戻ってきてさらに憂鬱になる。 積み上げられたダンボール。 家具類は業者が配置していってくれたからいいが、このダンボールはどうしようもない。 「・・・始業式までには何とかしときたいな・・・」 しばらく逡巡したあと、俺はあきらめて立ち上がった。 「やるか」 ・・・・・・・・・。 ・・・・・・。 ・・・。 「おわっ!?」 ゴガクシャバキドバア・・・ ・・・。 ・・・。
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