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私は“みちびき”。船達を導く、灯台の仕事をしている。
「いやぁ、夜の海から見るみちびきの光は、すげぇ綺麗だった! その幻想的な光が映し出す白いボディに見とれちまってよ、俺様危うく沈没するかと思ったぜ? へへっ」
こんな仕事をしていると、こうやって言い寄ってくる船が結構いる。孤独な航海を送っているんだから、人肌恋しいのは分かるよ。でもね……。
「キモッ……“ふなきち”くんなんて、そのまま沈没しちゃえば良かったのに。ていうか、ふなきちくん。前にも言ったけどさ……臭いから私に近付かないで」
「ガーン!?」
どうにも私は、人に優しくするのが苦手なのだ。まぁ、ふなきちくんに優しくするつもりは無いけど。
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