1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほぉら……帰ってきおった」
「えっ!? 何処何処何処!? ふねじいさん、すなおは何処!!?」
慌てて指差す方を探しても、すなおの姿は何処にもなかった。はて、と思い振り返ると、にんまり笑ったふねじいさん。
「うっそぴょーん!」
「ふねじいさん!? 私、本気で怒るよ!!?」
「おーい……!」
嘘つきじいさんの胸ぐらを掴んだ私の耳に、待ちわびた優しげな声が届く。振り替えると、指を差された反対側にその姿があった。
「みちびきちゃーん! ふねじいさーん! たっだいまー!」
私にこんなに心配を掛けた元凶、船のすなおが帰ってきたのだ……!
私は溢れる感情をありったけ込めて、彼に向かって叫び返した。
「遅ぉおおいっ!!! ちゃんと時間通りに帰ってきなさいよ、馬鹿ぁああ!!!」
最初のコメントを投稿しよう!