プロローグ

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「……ねえねえ、ラフィーナ、ホントに家出しちゃうつもりなの?」 「ええそうよ。ワタシは、キィ、アナタが話してくれる異世界の神話も大好きだけれども、それでも、この世界の“失われた神話”も知りたいんだもの」 「……確かに、そのためにはこのお城から出なくちゃダメだけど……」 「ワタシだって、もう立派な14才の淑女(レディ)、カワイイお姫さまには旅をさせよ、って、アナタが教えてくれたことわざよ?」 「……だけど、お城の窓から出ていくのは、淑女、というよりも、おてんばなお嬢ちゃん(レディ)な気がするな」 「あら、そうかしら? でもね、きっとそうかもしれないけど、静かにしてないと置いてっちゃうよ、キィ」 「……はいはい、分かったよ、ボクも、そろそろあの部屋だけを飛び回っているのにも飽き飽きしていたところさ」 「それじゃあ、さっそくだけど、この、外の警備兵が点に見えちゃうくらいの高さのお部屋から、無事に、誰にも気付かれずに、そして、華麗に逃げ出す方法を教えてほしいの。そろそろ、窓枠にしがみついてる腕が限界なの」 「………………」 ――Lets escape!!――
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