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「それでは本題に入らせて頂きます」
柴崎 圭の張りつめた冷たい声がした。その声にハッとした私は慌てて彼を見た。
「こちらはパッケージのリスト表ですが、お二人には別々にリストをご用意しました」
淡々と説明していく柴崎 圭。
彼の表情はさっきとは全く違って無表情。冷たい声で
「野島さんにデザインして頂きたいのはこちらのリスト表になります」
と、野島さんにリスト表を示した。
そして別のリスト表を私に示しながら
「野々村さんはこちらのリスト表になります。どうぞご確認をお願いします」
そう言った柴崎 圭。表情を一つも変えない。
氷のような表情の彼。
これがクライアントの柴崎 圭、本来の姿なんだ。
そう思ったけど、今は仕事中なんだと、私は自分の感情を押し殺す。
そして真っ直ぐに姿勢を正してから、私は手渡されたリスト表に目を通した。
リスト表に記載されているのは、パイやパウンドケーキ、チョコレート、キャンディーなどで品目。
これらは結婚式の引出物となる引き菓子だ。
「先程、召し上がって戴いたパイやパウンドケーキなどの焼き菓子はこのリスト表に載っています」
パッケージデザインを依頼した引き菓子の一部だと説明した柴崎 圭は私に
「先日、私が追加でお願いしたプレミアムプランのロールケーキのデザインなのですが、引き受けて頂けますか?」
と言った。
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