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リスト表や詳細レジメの資料を見ながら、私はロールケーキのパッケージデザインとなると……
かなり難しいなと考えていた私の耳元に近づく声。
「野々村さん、こんにちわ」
ハッとして振り返ると、私の横にコックスタイル、いやパティシエ姿の男性──矢野さんが立っていた。
いつの間に居たのだろう……
そう思ったのだけど、皆が一斉に立ち上がったのを見て私も慌てて椅子から立ち上がった。
「いつもお世話になってます」
と私がお辞儀すると、矢野さんは人が良さそうな表情を浮かべて皆の顔を見渡してから
「こちらこそお世話になってます」
私に向かってにっこりと微笑んだ。
そして矢野さんは自分が座る場所を確認するようにちらりと目配せしたが、椅子が足らない事に気づく。
自ら他のテーブルあった椅子を引きずるように持ってきて、その椅子を私の椅子の横に並べるとすぐに、矢野さんは立っていた私達に声をかける事なく自分一人だけが座った。
そんな矢野さんに誰も何も言わずに皆が次々と座り始めたので、私も後に続く形で椅子に座ったのだけど……
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