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え?と思ったのも、つかの間。 圭ちゃんの悲しげな瞳の色は一瞬にして消え、 無機質の冷たい瞳の色に変わる。 それと同時に圭ちゃんは、自分の手を掴む私の手を払い除けたからだった。 圭ちゃんの顔は圭ちゃんではない、柴崎 圭の顔になり 「立てますか?」 と冷たい声を出した。 急に態度を変えてきた圭ちゃん、いや柴崎 圭を見て、私はかなり動揺していた。 「た、立てます……」 と慌て立ち上がったものの、ふらっとよろめいてしまった。 あ……っ! と思ったその時、私の背中にすかさず手が伸びて、倒れかけた私を支えてくれた。 支えてくれたヒト─野島さんだった。 だけど、支えてくれただけではなかった! なんと私は……自分の背中を野島さんの胸に押しつけるようにして、身体全体で凭れ掛かっていた。 「す、すみません! 大丈夫です」 慌てた私は、急いで自分の身体を野島さんから離した。 ━━は、恥ずかしいっ!! さっきまで真っ赤だった私の顔は、一瞬にして赤く染まった。
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