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顔を赤く染める私を見つめる柴崎 圭は
「どうやら大丈夫そうですね」
と、無表情で言った。
「どうぞお気をつけて、お帰りください」
淡々とした口調で私達に一礼した後、柴崎 圭は川田さんに向かって
「お見送りをして」
と指示してこの場を去ろうとしたが、野島さんが
「柴崎さん！」
と呼び止めた。
一瞬、眉を顰めたものの、直ぐに無表情を取り戻した柴崎 圭は野島さんに向かって言った。
「何か？」
「少しだけ時間をお時間をいただけますか？」
柴崎 圭が私の方をちらっと見たが、野島さんが笹島さんに向かって言う。
「笹島。野々村に付き添っててくれ。話はすぐに終わるから」
「はい。わかりました」
は野島さんと笹島さんの会話を無表情で聞き終えた柴崎 圭は、野島さんに問うように聞く。
「どうやらお話は、場所を変える方が良いようですね」
「出来れば……そうして頂けると有難いです」
口調は穏やかだが、野島さんは圧するような強い視線を柴崎 圭に向けていた。
しかしその視線を向けられていても、柴崎 圭は表情を一つも乱す事もなかった。
「では、こちらにどうぞ」
無機質な冷たい声を放ち、淡々とした態度で野島さんを別の場所へ誘導した。
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