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笹島さんは営業として剛田さんと話さないといけない事があったはず。
私がこんな風になったから……
きっと野島さんも笹島さんと同様に、柴崎 圭と何らかの仕事の話があっただだろう。
私が野島さんと笹島さんの仕事の予定を狂わせてしまった。
その上に心配をかけて、私は何をやってるんだろう。
自責の念で俯く私に川田さんが、心配そうな顔で言う。
「大丈夫ですか? あちらに座りましょう」
川田さんが壁際のウェイティングスペースに置かれたソファー指し示した。
「……は、はい」
川田さんの言葉に従って、私はソファーに座る事にした。
だけど、心の中ではソファーに座りたくないと思っていた。
もし座ってしまったら、必然的に川田さんと向かい合わせになり話すことになってしまう。
ヤダ、話したくない。
川田さんが私の事を心配してくれてるのに、気持ちは拒否してしまう。
拒否してしまうのはどす黒い感情に、身体が襲われているからだ。
もう、何も話したくなくて……また小刻みに震えてしまっていた。
だが川田さんは私が座るソファーの向かいのソファーに座る事なく、私の座っているソファーの横に立ったままだった。
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