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座らないのかな?と驚いて川田さんを見ると、川田さんが優しく微笑んだ。 「私はここのスタッフですので、お気になさらないでください」 「え? でも……」 さっきまでは共に向かい合わせに座って打ち合わせ会議したのに? そう思ったけど、川田さんが向かいに座らない方が自分にとっては都合がいい。 それならそれで良かったと思う自分がいて ……私って嫌な性格だ。 今度は自己嫌悪が襲ってきた。 その自己嫌悪から私が苦虫を潰したような顔をしていたのだけど、その間、川田さんは一言も話さなかった。 お互い何も言わずに黙っていると 「野々村さん」 と、川田さんから話しかけてきた。 「あ、はいっ!」 何を言われるのだろう。 川田さんが次に発する言葉に不安を覚えながら身構える私に、川田さんは大きく深呼吸してからじっと私の顔を見つめた。 私を見つめるけど、何も言わない川田さん。 「あの……?」 戸惑う私に、川田さんは 「野々村さんは、光太さんの妹さんですよね?」 と急に悲しげな顔をして聞いた。
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