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そうか……そうなんだね。
川田さんは誰よりも圭ちゃんの事を良く知っているんだね。
そう思った途端、私の心の中でまたモヤモヤするどす黒い感情が広がりかけていた。
だけど……
「だけど貴女は柴崎にとって、光太さんの……親友の妹という存在だけではないようね」
と言った川田さんの表情。
さっきの悲しげな顔から今にも泣き出しそう顔変わる。
え？ どうして？ 泣きそうになっているの？
驚きのあまり、さっきまでの私の黒い感情も何処へやら。
最早、どこか彼方に吹っ飛んでしまった。
だからと言って、いきなり川田さん本人に『どうしたのですか？』と聞けないし……
私は黙って川田さんの顔を見つめる。
「柴崎……柴崎は、あなたをとても大切にしているのね」
「……」
「貴女と話してる時の柴崎の表情。
……あんな風に柴崎が笑う姿。
私は一度も見た事が無かったわ」
川田さんは儚げで壊れしまいそうな弱々しい笑みを浮かべると
「……私には一度も見せてくれなかった表情だわわ」
と言った。
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