10

5/21
12500人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
「野島さんは花菜を病院に連れて行こうと言ったのだけど……誰がどう見ても花菜は爆睡しているという感じだったのよね」 「……」 「だから病院には行かないで、野島さん達が花菜を家まで送ってくれたの」 「……」 一連の説明を聞いて、私は言葉を失った。 倒れたのではなく、ただ爆睡で…… それどころか爆睡して眠りこけてしまった間抜けな姿を、私は野島さん達に晒してしまったってこと? 「え?ええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 ムンクの叫びのような顔で、Oh!No!と叫んだ。 だって、だって、それってかなり…… ちょっ、ちょっ、ちょーマズいでしょっ! マズすぎるけど、それだけじゃない!! ちょっと待って! ど、どうやって私をここまで運んだのよ! 第一私の部屋、ここは二階だよ? 勢いよく千沙の方を向いた私は 「ちょっ、ま、まさか? 野島さんと笹島さんで私を抱えたの?!」 千沙の方に身を乗り出すと、悲壮感溢れる顔で聞いた。
/346ページ

最初のコメントを投稿しよう!