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「は? お尻? 何を言って……」
「嫌ぁぁぁあ! おんぶも恥ずかしいけど、お尻を支えて貰う方が100倍恥ずかしいしっ!
あーもう! どっちにしても、色々と嫌過ぎるぅ!」
大声を上げ、両手で顔を覆い思いっきり首を横に振ると、千沙が冷めた目を私に向けて言った。
「……花菜の思考、たまにワケわからないよね」
「どういう意味よ?」
少しムッとした私は、軽く千沙を睨む。
「花菜は自分の体重が重いと思ってるみたいだけど、そんなことないよ。どちらかというと、背が高い割には体重が軽すぎる方じゃない?」
「え?」
「だって野島さんったら、花菜を軽々と抱き上げてたし」
「はい?」
抱き上げたって……それはどういうこと?
キョトンとした顔をする私に、千沙はニヤリと意味ありげな笑みを向けて
「野島さん……そのまま花菜を、お姫様だっこして運んでくれたわよ」
と、言ったから
「……」
──私の思考回路は完全停止した。
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