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「こんばんは、萌先輩」 「…こんばんは…」 先生の横顔を見上げると、 ――この状況に どう対処すべきか、 思案しているようだった。 …そっか。 …先生は、わたしが 月子ちゃんの事情を 何も知らないと思ってるから…。 「哲哉くん、…まだ、 マミさん起きてる?」 「…うん、…仕事、してるよ」 「そう」 月子ちゃんは微笑んで、 「さっき、マミさんの 携帯に電話したら、 哲哉くんが放送部の生徒を 連れて来てるって言ってたから。 もしかして、萌先輩かなって、 黙って来てみたの」 月子ちゃんの視線が 注がれている事に気付き、 わたしは慌てて 掴まっていた先生の手を離した。
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