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馬木じゃないと駄目だったんだよ――。
詩乃は、晴れて馬木と両想いになった。
2人の様子は今までとそう変わりないけど、俺が間に入らなくても連絡を取り合っているみたいだ。
今日は日曜。
昼にバイトから帰ってくると、珍しくバイトの休みを取ったという馬木からメールが入った。
“これから深瀬さんと会うんだけど、付いてきてほしい”
約束の場所に友人を連れて行くって……。
それも、告白を断ろうとしているところに。
馬木さん、それは駄目でしょう。
――と、思ったものの。
前々から“深瀬さん”のことは気になっていた。
もう外の気温も暖かくなって、シャツ1枚で外に出た俺は、馬木に“いいよ”というメールを返信する。
“馬木じゃないと駄目だった”
馬木は鈍い。
あいつは、大学2年のある時から“突然”モテ期がきたと思っているけど、入学当初から学部内の女の視線を集めていた。
そんなだから、俺の気持ちにも気付かない。
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