重なり(後編)

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「う、く」 「……」 どう考えたって、堀内とはしたくないって。 男となら、気持ちが無くても出来ることも出来ないって思ってた。 でも、もうずっと堀内のことを“女”で一括りにして見てたんだなって、今は思う。 この人になら、俺はもう――。 「堀内」 今は、抱き締めてやりたいって思うんだ。 怯えた顔をさせるモノから守ってやりたいって思うんだよ。 そう思うってことは――そういうことだよな? 「う、う」 口を覆っている堀内の細い手首を掴むと、簡単に引き剥がすことが出来る。 その奥で、血が滲むほど強く唇を噛み締めていた。 痛々しさが俺の心臓を無数に刺す。 「最初と今とじゃ違う。俺は、アンタのことが……多分」 いや、多分じゃなくて。 「好きだよ」 「――」 パタ、と堀内が瞼を瞬くと、目尻に溜まっていた涙がこぼれる。
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