04:獏

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頭がパンクしそうだった。 とにかくわかったのは自分が人間ではないということ。 裁判所に見つかったらすぐ殺されてしまうということ。 そして今まで凌が話してきた話が、作り話にしては出来過ぎているということだった。 ソファに逆戻りした亜月を見下ろす。 凌は小さく溜息をついた。 昔から何かを誰かに説明するのが得意ではなかった。 気を抜けばきつい口調になるのが、凌の欠点だった。 「…大丈夫だ。外に一歩も出るなっていってるわけじゃないんだし。今まで通り、学校に通いたいなら通えばいい」 「……」 「今日はもう寝ろ。そろそろ10時になる。部屋は二階だ。行けばわかる。その部屋の物は好きに使っていい。昔おまえが使ってたもんだ」 凌の声に、先ほどまでの緊張感はなかった。 出会った頃と同じ、ゆるく語尾の透ける話し方。 それはやさしく聞こえたが、同時に何の色も浮かばないただの言葉の羅列のようにも思えた。
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