僕の姉ちゃん、ぶっ飛んでる

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『これはこれは千明様。ご様子麗しゅうて、爺は涙が出てきますぞ』 「前置きなど必要ない。此度は何用か? さっさと本題を話すがよい」 『いらぬ心配でございましたな。何卒、ご容赦くださいませ。お話というのは他でもありませぬ。昨晩の辻斬りでございます』  そういや隣町で通り魔事件が発生したな、と思い出すよりも先に、姉ちゃんの演技力に瞠目してしまう。  いや、こればかりはいつものことなのだけれども、二人の別人格が本当に目の前で会話しているように聞こえるのだ。
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