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───ガラガラッ
「よーし。席つけー。テスト返却すっぞー。」
どこか気の抜けた眠気を誘う朝の空気。皆が各々のことをしている静かな空間。友人と喋っている声でさえ和みがある。
そんな心地好い空間に、乱入者が現れた。
「マルトリー先生。テストって何のですか?」と誰かが聞く。
マルトリー。それが乱入者の名だった。
先生。それは乱入者の職業だった。
そう、ここは学校で、今はSHRが始まったところだ。
そしてテストとは多分、この学校に入学するためにした試験のことだろう。
「入試のとき実技と筆記やっただろう?それの結果だ。あ、それとみんな知ってるだろうが首席はコルネ・トフィリスだ。トフィリス、取りに来い。」
質問に答えたあと、有無を言わさぬ早さで返却を始める先生。
名前を呼ばれたら取りに行くという作業を黙々とこなしていくクラスメイトたち。
誰ひとりとして騒いではいなかった。
「次ー。セタル・リマロース。」
人間観察中にいきなり名前を呼ばれ、暫し呆然としたあと立ち上がる。
先生の前に行くと、次の人の名前を呼びながら手の中の紙を突き出された。
それを受け取り「ありがとうございます。」と一応会釈をしてから席に戻る。
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