プロローグ

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五月晴れだった。 公園で遊んでいる子供たちを背後にしながら、神凪春人はふっと呟いた。 「暇だぁ……」 高校に出席する義理はすでになく、私服の状態で先程コン ビニで買った雑誌を読むという暇潰しを考案してみたが、 傍目から見ても恥ずかしいだけである。 「何か面白いことないかなぁ……」 暇潰しになるような物が見つからないので仕方なく雑誌に 目を通していると…… 「……ん?」 ヒュウ、と。雑誌のページを捲ると同時に横凪の強風が吹いた。風とともに舞った一枚の封書が不自然な軌道を描き、雑誌の隙間に落ちてきた。 「……なんだ、これ?」 不自然な軌道を描いた封書を手に取る。 封書には達筆でこう書かれていた。『神凪春人殿へ』と。
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