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『ぎにゃあああああああ!!お、お嬢おおおおお!!』
上空4000Mから落下した四人と一匹は、落下地点に用意してあった緩衝材のような薄い水膜を幾重も通って湖に投げ出される。
「きゃ!」
「わっ!」
ポチャン、と着水。水膜で勢いが衰えていたため四人は無傷で済んだが、耀とともに落ちてきた三毛猫はそうもいかない。慌てて耀が抱きかかえ、水面に引っ張りあげる。
「……大丈夫?」
『じ、じぬがぼおぼた……!』
まだ呂律が回らないながらも無事を確認した耀はほっとする。
他の三人はさっさと陸地に上がりながら罵詈雑言を吐き捨てていた。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」
「全くだよ……」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だぜ」
「……石の中って、オイオイ。そんなところに呼び出されちゃ動けねぇだろ?」
「全くだわ……」
「俺は問題ない」
「そう。身勝手ね」
二人の男女はフン、と互いに鼻を鳴らしもう一人の男子はハハハ、と苦笑しながら服の端を絞る。
その後ろに続く形で耀が岸に上がる。同じように服を絞る隣で三毛猫が全身を震わせて水をはじく。耀は絞りながら、
「此処……どこだろう?」
「さあな、まぁ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」
「天空の城かもな」
耀の呟きに春人と十六夜が答える。何にせよ、彼らの知らない場所であるのは確かだった。
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