第一章

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適当に服を絞り終えた逆廻十六夜は軽く曲がったくせっぱねの髪の毛を掻きあげ、 「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」 「あぁ、そうだよ」 「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。━━━━私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」 「……春日部耀。以下同文」 「そう。よろしく春日部さん。最後に、野蛮で凶暴そうな貴方とニコニコと笑顔をこちらに向けている貴方は?」 「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴そうな逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」 「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」 「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」 「それで貴方は?」 「あ、あぁ……えぇっと……ゴホン 高圧的な自己PRをありがと。見たまんま調子者で適当で自堕落主義と三拍子そろった駄目人間なので、えと、ヨーヨー……と?……十六夜、なんだったっけ?」 「用法と用量だ、クソッタレ」 「あぁ、そうか。 ……ま!めんどくさいから適当でいいや 神凪春人、16歳でーす!」 「え、えぇ、よろしくね、春人君」 心からケラケラと笑う逆廻十六夜。 悪戯を思いついた子供のような顔をする神凪春人。 傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。 我関せず無関心を装う春日部耀。
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