第一章

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そんな彼らを物陰から見ていた黒ウサギは思う。 (うわぁ……なんか問題児ばっかりみたいですねぇ……) 召還しておいてアレだが……彼らが協力する姿は、客観低に想像できそうにない。黒ウサギは陰鬱そうに重くため息を吐くのだった。 十六夜は苛立たしげに言う。 「で、呼び出されたはいいんだけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」 「そうだよねえ。なんの説明もないままじゃ動けないし」 「……。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」 (全くです) 黒ウサギはこっそりツッコミを入れた。 もっとパニックになってくれれば飛び出しやすいのだが、場が落ち着き過ぎているので出るタイミングを計れない。 (まあ、悩んでいても仕方がないデス。これ以上不満が噴出する前にお腹を括りますか)
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