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「無理、してますよ?格好悪いくらい」
「……」
「口で言ってもわからないから、身体でわからせようってする狡さ、耀子さんにはわからないみたいですけど」
閉じてしまったドアをまた開かせて
蓮見が私の腕をまたひいては歩く
そのまま部屋の前で立ち止まる
「開けてください」
蓮見の顔から、笑みがなくなっていて
私もそれ以上に何も言えなくて、こんがらがった頭の中、蓮見の言っている意味を理解しようとするけど、何もわからない
ドアが開いて。
玄関口で蓮見に押し込まれる
「何回も言いますけど、僕は耀子さんの全部が手に入らないと、
もう今更、後戻りなんかする気ないんです」
そう言った蓮見の瞳の奥が鋭すぎて、私は後ずさりしようと足を1歩後ろに出した
「――蓮見は私の事、好きなの?」
「今はまだ、御互い始まったばかりでしょう?」
それは、……答えに。なって、ない。
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