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「吉住さんっ!!終電ヤバいんで帰りますっ!!」 中山と直美が慌てて走り去っていくのを見送って、今日も残業。 ほとんど終わった業務に、ゆっくりと机の上を片付ける 別に終電なんかに乗れなくても、私はタクシーを拾えばいい チラリと視線を時計に向けて。 ――ああ、もう。 毎晩蓮見が現れていた時刻が迫ってきて、だんだん怖くなってきた。 早く、帰ろう。 施錠時間、ギリギリ。 今日は何度も携帯をチェックして。 何の着信もメールもない携帯。 思わず深く吸い込んだ溜め息を吐き出した。 「耀子さん」
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