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いつもは蓮見が絡めてくれる指先が、さっきからふらふらと視界に入ってくる 明らかに、動揺している私は、その指先をさっきからチラチラと見ては、だまったまま蓮見の斜め後ろを歩いていた 沈黙。 それはぎこちなくて、いてもたってもいられなくて、その場から今すぐ逃げ出したいくらいで。 泣きたくなるくらい、胸がきしむ 「耀子さん?」 国道沿いの開けた空間で、蓮見の声がやけに小さく耳に届く 「……嫌、ですか?」 苦笑いの蓮見の顔に、もう何が起きてるのかわからなくて 言葉が出ない
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