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そして、女癖の悪い植原の愛人だとも噂されていた その瞬間に、祖父の話が頭にピンときた やはり、この世界では出来る女を掴んだものが勝ちを手にする、と。 ただ、既婚者でもある植原には、すでにバイヤーである伴侶がいる――もっとも、会社のイメージブランドでもある高感度系セレクトショップのバイヤーで、会社としては利益など必要としていないブランドではあるが。 インポートバイイングは、仕入れ金額が高いため、粗利率がほとんど出ない さらには宣伝媒体料がかかり、ここ数年赤字続き アパレル会社としての面子の為だけに保有している、いわば娯楽ブランドだ 実際に会社に利益を出しているのは吉住の手掛ける基幹ブランド。 営業職に就いていた俺が彼女と話す機会など皆無で、ときたまエントランスで偶然にすれ違う程度だった
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