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蓮見の肌の、香り
綺麗についた、しなやかな筋肉を覆い隠すような肌の質感が、私の肌を優しく包んではなさない
「帰る時間が」
身体中がやけに敏感になっているのか、肌が少し擦れあっただけで身震いしそうになる
前も、今日も。
一度蓮見と体温を交わらせてしまえば、私は我を忘れて夢中になってしまう
「――聞いてますか?」
ベッドの上でぐったりと重なる二人の影が、暗闇のなかでかすかに動く
「――てない」
聞こえては、いる。
けれど、それに答える余裕なんてなくて
「耀子さん?」
熱っぽくて、意地悪な蓮見の声が、うしろから耳元に甘く響き渡る
「そんなに、いいんですか?」
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