2084人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
声が出せそうになくて、シーツに顔を埋めたまま黙っていると、蓮見の唇が背中に触れた
ビクンと反応してしまった身体に
「まだ足りないですか?」
そう嬉しそうな声が背中に響く
「……いじわる」
「御希望ならば」
そう言って、背中につけた唇から、暖かな温もりを与えてくる
「――ま、まっ」
そう声をひねりあげた瞬間、私の身体をグルリと勢いよく回転させると
「待って、はナシです」
そう言って抱き寄せた。
まだ、――身体が。
「はす……」
――怖い。
どこまでも、与えられるものを欲する自分が。
飽きたらない、身体が。
息は上がっているのに、蓮見の身体に触れあうたびに、夢中になる
「――す、き……」
「――え?」
「隙間なんか、……ない」
脳から突き抜けるような感覚と共に、言葉が切れ切れに口から自然と出てくる
「私との間に。隙間……」
最初のコメントを投稿しよう!