第1話 はじめまして公爵様。

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今日はきっと肝心な日だと、フォルデリカは思っていた。 そのための準備も抜かりない。 持っている物の中で精一杯、自分をいい子に見せる物を選んだ。 後は……まあ、せいぜいが挨拶の練習と話題の準備くらいだが。 「初めまして、ではありませんけれども、改めてよろしくお願い致します。  ――お義父様」 「俺はまだそんな年ではない」 「では、お義兄様?」 「柄では無いな」 「……公爵様?」 「君も既に公爵家の人間だと言う自覚はどこだ?」 「う~ぅん……。それでは、ご主人様?」 「……だから自覚はどこだと問うている」 フォルデリカはしょっぱなからつまづいたようである。
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