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「はは……そう返されたら、もう他に言葉がない」
お父さんは顔を引き締め、真顔で私の顔を見つめて言う。
「行ってこい。父さんはもう何も言わん」
私は大きく頷いて靴を履く。
「でも、もし家に帰りたくなったらいつでも帰って来なさい。父さんと母さんはここにいるから」
「うん、行ってきます」
私は振り返らずに家を出た。
玄関のドアを開ければ、お母さんが笑顔で私を待っていてくれた。
「璃帆、体には気を付けなさいよ。何かあったらすぐ連絡しなさい」
「もう、わかってるってそれくらい。お母さんも体には気を付けないとダメだよ?」
「大丈夫、あなたの母さんは元気だけが取り柄なんだから。こっちは心配しなくていいわよ」
「うん……じゃあ、行ってくるよ」
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