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「行ってらっしゃい」
踏み出した新たな人生の第一歩。
そこには希望が溢れていて、私の前に続くのは華やかできらびやかな道。
それ以外の闇や絶望、挫折なんて何一つ見えなかった。
いや、見ようとしていなかったんだ。
ーーーー夢から覚めて、またずいぶんと懐かしい記憶を見たものだと少し考える。
私が東京へ向かう日、あの日の私には希望の何も見えてはいなかった。
お父さんが何度も忠告してくれたはずなのに。
あの町で輝ける者は僅か一握り、栄光を手に出来るのは限られた者だけ。
残念ながら私はその一人にはなれなかった。
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