18人が本棚に入れています
本棚に追加
「奏樹……?」
重たい瞼を擦りながらこじ開けて、隣の布団で眠っていたはずの彼の名前を呼んだ。
しかし反応はなく、薄く開いた瞳から垣間見たその場所に彼の姿はなかった。
「あ……れ……?」
眠気はその瞬間に完全に消し飛び、脳内は覚醒する。
昨日の告白、彼はその返事をする事なく行ってしまったんじゃないだろうか。
そんな嫌な想像が頭の中を駆け抜けていった。
パジャマ姿で部屋を飛び出し、彼の名前を呼んでみるが返ってくる声はない。
一階に降りて彼の姿を探すが、やはり私の視界に彼の姿は入り込んでこなかった。
「もしかして……今日帰る事がわかってて……」
だから昨日返事をしなかったのかもしれない。
浮かぶのは悪い方向の思考ばかり。
最初のコメントを投稿しよう!