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A MAGICALGIRL AND THE SANTA CLAUS
一之瀬ひなたは、思わず立ち止まって息を呑んだ。
暗闇たちこめる裏路地へ、突如空から降って来た謎の男が、ポリバケツに頭から嵌まって藻掻いている。
「もが、もがふ! もがががががシイイィィット!!」
大きなカブが地面から抜けるように勢いよく、生ごみの中から出現したのは黒い全身タイツに身を包んだ黒人男性だった。
「あんの糞トナカイ! 今度会ったらぜってぇ一発ぶん殴ってやる!! ファーーーーック!!!!」
漆黒の夜天に中指を突き立てて吠えたのも束の間、何やら巨大な巾着袋が隕石の如く飛来して、
「おわああぁぁっ!?」
ぐしゃり。
思わず目を背けたひなたが、恐る恐る前を向くと。
地面に情けなく這い蹲った謎の黒人男性と目が合ってしまった。
あまりの出来事に走り去る事を忘れていた、この数秒間を後悔した。
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クリスマスイベント参加短編
【A MAGICALGIRL AND THE SANTA CLAUS】
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