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入学初日ということで、自己紹介とHRが終わると、もう放課。
一斉に教室から出ていくクラスメイトたち。
「ねぇねぇ、中村君」
「ん?」
そんなほとんど人が残っていない教室で、森下に声をかけられた。
それだけのことで、俺の心臓はちょっとうるさくなる。
「家って、どっち方面?」
「俺の家?
あっちだけど?」
そう言って、教室の窓から見える正門を指差す。
「あ、一緒だ!!
えーっと、あのさ……」
そこまで言って、急に口籠もる森下。
「? 何だよ?」
言葉の続きが気になって、俺は奴を促す。
――ちょっと期待しちゃったり……なんてことは無いからな? 絶対に。
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